民間の医療保険が必要な理由は何、本当に入る必要があるのか?
どんなに精密に出来た高級高額な自動車でも、製造して1キロも走らずそのまま博物館にでも展示しない限り、「絶対に故障しない」ということはない。もし、その自動車が絶対に故障しないのなら「保証期間は無限です」でもよいわけだが、そんなことはありえない。
一般的に自動車の保証期間は3年、長くても5年で、その保証期間内でも故障は起きる。まして私たちはこの世に生を受けてから死ぬまで、心臓の鼓動は休みなく続けられ、一時も止まることはない。
そして日常的に活動していれば事故に遭わないとも限らず、生身の身体であるから遺伝の関係や日常的な生活環境の中で、いつ病気になるとも限らない。休みなく働き続けるこの肉体は、男性が生まれてから79年、女性は86年が機械としての平均寿命だ。
この間、全然故障もしないでメンテナンスも必要ないなんてとても考えられない。やはり入院して病気を取り除いたり、ケガの部分を修復したりすることが必要になる。こんな場合、もし医療保険というものがなかったら修復やメンテナンスに掛かる費用は、全部自腹を切らなければならなくなる。
今、個人個人が加入している公的健康保険は、政府管掌の保険か組合管掌の保険か、または国民健康保険かによって、あるいは被保険者の年齢になどによって医療費の自己負担割合が異なるが、少ない人でかかった医療費の1割、多い人では3割負担だ。
割合から見れば少ないように思える負担率も、病気によっては、また医療機関に通う頻度が多い人にとっては、やはり重い負担となる。医療費が高額になった場合は、ある一定額を超えた金額に対して「高額療養費補助制度」がある。
これには所得制限などの縛りがあるが、期するほどの補助が受けられるとは限らない。しかし医療費が高額になって支払いが困難なときは、ほとんどの自治体には「医療費の貸付制度」があるので、それを利用することもできる。
生命保険会社は「ガンになって50日入院し手術を受けると、85万円の費用がかかります」と不安を煽り立てて脅かすが、現実には脅かされるほどの自己負担費用がかかるわけでわない。では、なぜ医療保険が必要なのだろうか。
経済評論家の中には「医療保険は掛け捨てで馬鹿馬鹿しいから入るな」という人もいるが、そんな言葉を信じて医療保険に加入しない人は、一生涯、病気もケガもしないで「おれは絶対に病院・医院の門はくぐらない」という自信があるのだろうか。
「医療保険に入るくらいなら、そのお金を貯金した方がよほどトクだ」という主張も分からないわけではないが「この貯金は病気やケガで入院したときのためのもの」と別の預金通帳にしても、何かのときに何があっても「絶対に手を付けない」という長年の信念を持ち続けられる強い意志が、あなたにはあるだろうか。疑問に思う。
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